この記事では、就活で受ける機会の多い「玉手箱」とはどんな適性検査なのかを、基本からわかりやすく解説します。
さらに、出題科目や問題の難易度、効率的な対策法もあわせて紹介します。これから玉手箱対策を始める人は、ぜひ参考にしてください。
就活でよく出る適性検査「玉手箱」とは?

WebテストでSPIの次によく出題される適性検査
玉手箱は、就活で利用される代表的なWebテストの一つです。企業の採用選考で能力検査と性格検査を実施するために利用されており、パソコン上で問題を解いて受検します。
SPIの次に多くの企業で採用されている適性検査であり、就活を進める上で一度は受ける機会もあるでしょう。SPIとあわせて、しっかり対策しておきたいテストとなっています。
SPIとは問題傾向や制限時間が大きく異なる
玉手箱とSPIの能力検査は、出題形式や時間配分に大きな違いがあります。
言語・計数(非言語)・英語の3科目という点は同じですが、含まれる問題の種類は別物で、1問あたりの解答ペースも異なります。
SPIの勉強だけでは玉手箱の問題形式に対応することは難しいため、それぞれに合った対策が必要です。

河合 竣平

河合 竣平(かわい しゅんぺい)
人材紹介事業部 リーダー
累計800名以上のキャリア支援実績あり
人材紹介事業部 リーダー
SPIとは完全に別物です!
玉手箱を受検する人は、玉手箱に特化した対策が必須になるので注意しましょう。
大手企業や金融・コンサル業界を中心に広く導入されている
玉手箱は、さまざまな企業の採用選考で利用されています。特に金融やコンサルティングなど、応募者が多く、選考の初期段階で一定の基準を設けたい企業で導入されるケースが多い傾向にあります。
ただし、業界だけで玉手箱の実施有無を判断することはできません。同じ業界でも企業によって使用する適性検査は異なるため、受検前に採用ページや就活情報などで確認しておくことが大切です。
玉手箱の出題科目と問題形式一覧
| 出題科目 | 問題形式 | 問題数 / 制限時間 | 主な特徴・対策のポイント |
| 計数 | 四則逆算 | 50問 / 9分 | 素早い暗算・電卓操作が必須。全問解答を目指すスピード勝負。 |
| 図表の読み取り | 29問 / 15分(または40問 / 35分) | 図表やグラフから数値を読み取り計算。慣れとパターン把握がカギ。 | |
| 表の空欄推測 | 20問 / 20分 | 法則性を見つけて空欄に入る数値を推測する、やや難易度が高い形式。 | |
| 言語 | 論理的読解 | 32問 / 15分 | 長文を読み「正しい・誤り・判定不能」を選ぶ定番形式。 |
| 趣旨判定 | 32問 / 10分 | 長文に対して設問の主張が「合っているか・触れられていないか」判定。 | |
| 趣旨把握 | 10分(長文数篇) | 長文を読み、筆者の主張に最も近い選択肢を選ぶ形式。 | |
| 英語 | 論理的読解 | 24問 / 10分 | 英語長文に対する論理的読解。英文を素早くスキャンする力が必須。 |
| 長文読解 | 24問 / 10分 | 英文に対する設問の正誤判定。単語力とスピードが重要。 | |
| 性格 | 性格テスト | 約68問〜 / 20分 | 行動傾向やパーソナリティを測る。矛盾がないよう直感でテンポよく回答。 |
計数|四則逆算・図表の読み取り・表の空欄推測の3形式
玉手箱の計数問題には、四則逆算・図表の読み取り・表の空欄推測の3つの形式があります。
四則逆算は計算式の空欄に入る数値を求める問題、図表の読み取りは表やグラフから必要な情報を読み取って計算する問題です。
一方、表の空欄推測では、表に並んだ数値の関係から法則性を見つけ、空欄に入る数値を推測します。他の2つの形式に比べると明確な答えを導きにくいため、特に注意が必要です。
言語|論理的読解・趣旨判定・趣旨把握の3形式
文章を読んで内容を判断する問題が中心となるのが言語問題です。
文章の論理関係を判断する「論理的読解」、本文と設問の内容が合っているかを判断する「趣旨判定」、そして文章全体の趣旨を特定する「趣旨把握」の3種類にわかれています。
いずれも長文を読みながら、設問に必要な情報を素早く見つけるという点は共通です。そのため、文章を素早く読み、要点を掴む力をつけておく必要があります。
英語|長文読解・論理的読解の2形式
玉手箱の英語では、言語と同じような長文読解系の問題が出題されます。読解スピードはもちろんのこと、英単語や文法の知識も求められます。
英語の基礎力が必要となるため、特に事前対策の有無で差がつきやすい科目といえます。計数・言語に比べると実施企業数は少なめですが、外資系企業など海外に関わることの多い企業では頻繁に出題されます。
性格|行動傾向やパーソナリティを測る設問
性格検査では、普段の行動や考え方について回答し、応募者の行動傾向やパーソナリティを確認します。能力検査のように知識を問われるものではなく、自分自身の考え方に近い選択肢を選んで回答する形式です。
一つひとつの質問に時間をかけすぎると回答が間に合わなくなる可能性があるため、基本的には直感に沿ってテンポよく答えましょう。
玉手箱の最大の特徴は「1種類の問題だけを短時間で解く形式」
玉手箱の3大特徴
- 1科目につき「1種類の問題形式」のみが出題される
- 1問あたりの制限時間が極端に短い(スピード勝負)
- 対策しないと時間切れでボロボロになりやすい
各科目で1種類だけの問題が選ばれて出題される

玉手箱では、計数や言語などの各科目について、複数ある問題形式の中から1種類が選ばれ、同じ形式の問題が続けて出題されます。
例えば、計数は「四則逆算」「図表の読み取り」「表の空欄推測」の3種類の問題が含まれますが、本番ではこのうちの1種類のみが最初から最後まで出題されることになります。
しかし、どの問題が選ばれているかは検査が始まるまでわからないので、すべての問題に対応できるようにしておく必要があります。
どの問題も1問あたりに使える時間が短い
玉手箱は、問題を一つずつじっくり考えて解くというより、短時間で判断して次の問題へ進むことが求められます。計数の四則逆算では1問あたり約10秒など、形式によっては非常に短い時間しかありません。
そのため、問題の解き方を理解するだけでなく、時間を意識して回答する練習が欠かせません。わからない問題に時間をかけすぎず、制限時間内でできるだけ多くの問題に回答することを意識しましょう。
対策しないとボロボロになりやすい
玉手箱は、問題そのものの難しさだけでなく、独特の出題形式と時間制限が難しさにつながります。初めて受検すると、問題の解き方はわかっていても、時間が足りずに最後まで回答できないことも多いです。
ただし、出題形式を把握して繰り返し練習しておけば、解けないような問題は出題されません。慣れがものを言うテストなので、とにかく反復練習を繰り返すことが重要です。
選考通過率を上げる!効率的な玉手箱対策の4ステップ
効果的な玉手箱対策
- 志望企業でどの問題形式が出題されるか調べる
- 出題される問題形式に特化して過去問を反復練習する
- 本番同様に1問ごとの制限時間を意識して解く練習をする
- 電卓を素早く正確に叩く練習をしておく
①志望企業でどの問題形式が出題されるか事前に調べる
まずは、志望企業の選考で玉手箱のどの問題形式が使われるのかを確認しましょう。同じ玉手箱でも、企業によって出題される科目や問題形式は異なるためです。
企業の採用ページや就活情報、過去の受検者の情報などを参考にすると、出題形式を把握できる場合があります。形式がわかれば、必要な問題に絞って対策を進められます。
②出題される問題形式に特化して過去問を反復練習する
出題形式を確認したら、それぞれの形式の問題を繰り返し解いて解法を身につけます。玉手箱は選ばれた形式の問題だけが最後まで続くため、苦手な形式は一つもない状態にしておくのが理想です。
この段階では、まだ時間を意識しすぎる必要はありません。まずは正しい解き方を理解し、安定して正解できるようになってから、徐々に回答スピードを上げていきましょう。
苦手形式が1つでもあると、万が一その問題が選ばれたときにボロボロになってしまいます。
少なくとも、「そもそも解き方がわからない」というレベルの問題は必ずなくしておきましょう。
③本番同様に1問ごとの制限時間を意識して解く練習をする
解法を身につけた後は、実際の制限時間を意識して問題を解いてみましょう。玉手箱では、正解するだけでなく、限られた時間内にできるだけ多くの問題へ回答することも重要です。
練習では、1問ごとの目安時間を決めて、時間内に解けるか確認しながら反復練習するのがおすすめです。時間が足りない場合は、計算や読解に時間をかけすぎている箇所を振り返るなど、解答の手順を見直しましょう。
④電卓を素早く正確に叩く操作練習をしておく
Webテスト形式で実施される玉手箱では、電卓の使用が許可されています。その分、電卓使用が前提の計算量の問題が出題されることもあるため、電卓の操作にも慣れておきましょう。
入力ミスがあるとタイムロスになってしまうので、使い慣らしておくことがポイントです。

河合 竣平

河合 竣平(かわい しゅんぺい)
人材紹介事業部 リーダー
累計800名以上のキャリア支援実績あり
人材紹介事業部 リーダー
練習段階から「早く・正確に」電卓を叩けるように練習しておくことが重要です!
玉手箱の結果は選考通過にどれくらい影響する?
能力検査には企業ごとに明確なボーダー(足切り)がある
玉手箱の能力検査では、企業ごとに一定の基準を設けて、選考の初期段階で応募者を絞り込む場合があります。
具体的なボーダーは公表されていませんが、一般的には7割前後を取れていれば多くの企業の足切りを回避できるとされています。
ただし、その年の採用方針や応募者の集まり方によってもボーダーは変動するため、「○割取れれば安心」と考えるのではなく、できるだけ高い点数を狙うことが大切です。
性格検査は自社の社風とのマッチ度が見られる
性格検査では、応募者の行動傾向や考え方などを確認し、企業が求める人物像との相性を判断する材料として利用されることがあります。能力検査のように正解があるわけではないため、点数を上げるための対策はできません。
回答するときは、企業から良く見られようとするよりも、自分の普段の考え方や行動に沿って答えることが重要です。設問によって回答を変えすぎると一貫性がなくなるため、素直に回答しましょう。
選考後半ではESや面接の評価とあわせて総合判断される

玉手箱の結果だけで採用が決まるわけではなく、その他の選考結果とあわせて評価されるケースもあります。
特に選考の後半では、ESや面接などの評価も含めて総合的に判断することが一般的です。そのため、玉手箱対策だけに力を入れすぎず、ESや面接対策にも同じくらい力を入れることが重要となります。
玉手箱の対策に関するよくある質問
玉手箱はSPIよりも難しい?
一般的には、SPIよりも玉手箱のほうが難しいと感じる人が多いです。玉手箱は同じ形式の問題を短時間で解いていく必要があるため、問題の知識だけでなく、素早く正確に処理する力も求められます。
SPIは玉手箱と比べて1問ごとに考える時間を取りやすく、基本的な解法を身につければ対応しやすいとされています。どちらも対策は必要ですが、高得点を狙うなら、玉手箱の方が時間をかけた対策を求められるでしょう。

林田 啓吾

林田 啓吾(はやしだ けいご)
人材紹介事業部 / 責任者
3年目・累計3000名以上のキャリア支援実績あり
人材紹介事業部 / 責任者
問題自体の難しさに大きな差はありません!
玉手箱はSPIよりも時間がかかりやすい点が難易度につながっています。
玉手箱とSPIはどちらを先に対策するべき?
一般的にはSPIの方が出題頻度が高いため、志望先が決まっていない段階であればSPI対策を優先した方が効率的です。
一方、志望企業の選考で玉手箱が実施されることがわかっているなら、玉手箱を優先して対策しましょう。
問題内容や時間の意識には、SPIと玉手箱で一定の共通点があります。どちらかの対策が済んでいれば、その経験を活かして、もう片方の対策もよりスムーズに行えるでしょう。
玉手箱対策は何時間くらい勉強すればいい?
玉手箱対策にかける時間は、初めて受検する人なら20〜30時間程度を一つの目安にすると良いでしょう。
問題形式を一通り理解して練習するだけなら10時間程度でも可能ですが、しっかり得点を取りにいけるレベルまで仕上げるなら30時間前後は確保しておきたいところです。
また、時間をかけるだけの詰め込みの勉強よりも、毎日1時間程度を継続する勉強の方が効果は出やすいです。1ヶ月程度コツコツ取り組めば、十分に高得点を狙えるでしょう。
玉手箱の過去問や解答集は存在する?
玉手箱の実際の過去問は公開されていません。しかし、玉手箱の出題形式を再現した問題集やWeb上の練習問題はいくつもあり、対策にはこうした教材を利用できます。
一方、玉手箱の「解答集」の配布や販売を謳うサイトも中にはありますが、本番で解答集を使って解くのは不正行為となります。選考が台無しになるリスクだけでなく、詐欺のおそれもあるため、絶対に手を出さないようにしましょう。
自分の結果や得点は企業から教えてもらえる?
玉手箱を受検しても、具体的な得点などが通知されることはありません。企業から「次の選考に進んでください」「今回は見送りとなりました」といった選考結果だけが伝えられるケースが一般的です。
受検後に「何点だったのか」「どこが悪かったのか」を確認する手段は、自己採点に限られます。
玉手箱の特徴を正しく理解して早めに対策を始めよう!
玉手箱は、計数・言語・英語・性格の4分野から構成されるWeb適性検査です。SPIとは問題形式や制限時間が異なり、同じ種類の問題を短時間で多く解くことが大きな特徴です。
対策としては、まず志望企業で出題される問題形式を確認し、必要な分野に絞って練習することがポイントです。問題集を使って解法を身につけた後は、時間を計りながら本番を想定した練習を繰り返しましょう。

